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虚無

『AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』感想

『AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』をプレイして
心から楽しめなかった人間の、気持ちに整理つけたかったなにか


※ 前作・今作トロコン済、前作今作双方のネタバレがあります
※ 上記作品が好きな方は読まないことを強くお薦めします
※ 1周しかしてません(色々確認しようと2周目を始めたが冒頭で挫折した)
 細かいところ記憶が曖昧ですが再度1周するの無理なので……

















総評は「入れ替えトリックとみずき上げに全振りしたような作品」


初見は入れ替えトリックで驚くが、話の広がりが少なくメタやクローンなどもはやなんでもありの展開で自分は全く楽しめなかった。自分は「この作品世界は作品世界として”存在するもの”」として没入して楽しみたいタイプなので、この作品のメタの使い方が本っっっ当に合わなかった。後半世界が!と大規模な話になってくるが、メタ要素のために「この世界は作り物」と強く認識させられ、終盤はもう「この世界もどうせ作り物なんだから」とどうでもよくなってしまった。幼稚な感情かもしれないが、好きな作品の世界を公式自らの手で「作り物」と否定された気持ちになってしまったのかもしれない。

ご都合展開も多くなぜプレイヤーを騙すような順番で?に対する必然性もなく、この入れ替えをやりたかっただけなんだな、という感想。肝心な部分の説明までメタとの会話で済ませるのはちょっと……。


■W主人公の片割れであるはずの龍木がただの舞台装置
 これは龍木だけでなくキャラ全員そう感じた
 メインビジュアルを初めて見た時はもっと主人公としての活躍を期待していたが、最後までプレイしてみると“W主人公”は別の意味でのだったのかな、と思う

前作キャラが多数登場するのはいいがなぜか全員事件に関わっている
 亜麻芽の年齢を改変して終始暗い顔をさせるくらいなら新しいキャラを作った方が良かったし亜麻芽も亜麻芽で常に周りを利用している感じが見ていて辛かった。いや、弟の大事にしてるものまでお前さあ…!厳さんに対しても最後まで想いに答えがなかった気がして、厳さんの好意をいいことにただ利用してるだけなんじゃないかと嫌な気持ちに

遺体を笑いのネタにする
 確かに悪人だけどそれにしても…倫理観息してる?

キャラの証言がおかしい・矛盾している部分がある
 花代の証言が特におかしい気が

ピュータのPsync前のテンション
 お前さあ、6年前のあの現場にいて、アレが原因で事件起きて死者も出てるのになんでそんなノリでその装置使えんの??????

 あとついでに補記の(ヴィ…自主規制)設定、個人的な感情で申し訳ないんだけど、(自主規制)に対していい感情持てないんでこの設定も結構無理め。あっっ海外の意識高い系にウケがいいからこの設定付加されてる?と思えば受け入れられ…………るわけないやろ!

絆のダンス好きが特に深い意味もなくグランドフィナーレありきの設定に見えてしまう
 歌詞も絆らしくない。何回もダンスを見せられるのも苦痛だった。曲自体は良い曲で好きなのに…
 あせとんちゃんのカクレコウモリでの扱いを見ているのであせとんちゃんが思うように人気出なかったから新しく歌って踊れるキャラ出したのかと邪推してしまう

明らかな後付け設定のために前作との整合性が取れない部分をキャラにはぐらかさせて誤魔化す
 設定がご都合で変わるので考察する気が失せるし、今回それをしてしまったことで今後全ての設定が変わる可能性があり作中の何もかもが信じられなくなった
 仮に「次回作で矛盾を繋ぐ新しい設定が明かされます!」という予定があったとしてもプレイヤーには知りようがないし、プレイヤーが何故か次作も無条件で買う前提で作品が作られているのだとしたらちょっとどうかと

ソムニウムパートのマップが改善したのはいいが、ポイントで間違ったオブジェクト名が表示されることがある。縦軸移動も正直面倒。移動距離長い

事件の再現に同じような流れを繰り返しやらなければならず苦痛
 ドライブはほぼママ、何回も同じ流れをやらされるアレは3Dになったクライマックス推理で一体何ロンパなんだ…???
 タマも躁鬱が激しすぎてなんか相手しててすごい疲れるので(再現時は特に)あんまり長時間会話したくない…デザインは好き

他の新要素も本当にプレイヤーを楽しませようという意図で入れてくれているのだろうか…

QTEが前作より増えている上に今回はソムニウムパートにまである。正直いらない
 ムービー中のQTEに至っては失敗するたびポイントの最初まで戻されてストレスマッハ。成功しても爽快感は特になくムービーにも集中できずつらい

下ネタが多すぎ/下ネタ、パロディで安易に笑いを取ろうとしすぎ
 前作が小学生の「うんこ!」みたいなノリだとしたら今作は熟年男性のそれで生々しくてイヤッ。ヤーッ!

 飛ばせないところにもふんだんに散りばめられているのでセ〇ハラ上司に逃れらないセク〇ラ会話を聞かされている気分になっちゃった。前作はまだ笑っていられたけど今作は笑えるどころか引いた

 評価がどうあれ絶対に下ネタを入れるんだ!という確固たる信念があるのなら堂々と入れればいいしインタビューで芸人を引き合いに言い訳するのはちょっとどうかと

みずきが自身の強さに自信があるのはいいが「威勢よく見栄を切った直後にピンチ、からの仲間が駆けつける」という流ればかりで「またかー」となる
 大体 QTEとよくばりセットなのでつらい

みずきが物事を脳筋で解決しようとしすぎ
 こんなにみずきってアレだったっけ?

クォーツのみずきへの視線というか執着というか態度が見守るそれを超えていて受け付けない

ボスが上官として不適格すぎて見ていてイライラする
 精神的に問題を抱えている部下にネチネチ嫌味を言う、身体に疾患を抱えている人物を特に世話もせずに駒としてだけは使う、事件解決には特に役立つことはしないが余計なくだりは作る、とイライラエピソードのオンパレードで前作から兆候はあったけど今作はちょっと流石に真顔になっちゃった
 少なからず想っている男性の養子と瓜二つの子供を引き取っているのも気持ち悪くて無理

余談に割く尺が長い
 なぜ?と感じる部分が結構あったのでそっちに尺割いてほしかった。時雨ソムニウムに厳さんが現れたのはなぜ?とか(なんか言及ありましたっけ?覚えてない)

 どうでもいいけど(よくないけど)愛緒園時代の話やたら長いけど器物損壊するほど常時やんちゃしてるのに伊達がその才能に気付くまで両親()が何も気付かないのおかしくない?あとそんな遊具を破壊するレベルで怪力の子を何の注意もなく里子に出すなよ利一…

伊達がずっとあの顔でいることに本人も周囲も何も思わないのが理解できない
 瞳とか人質に取られてたのによくイチャつけるな
 他のキャラはともかく瞳だけはさあ……

前作のネタバレになるものが話に関わっていて、前作ネタバレへの配慮が中途半端
 ネタバレ対策に初っ端色々入力させられるけど、あの場所にアレがあるって結構なネタバレでは

必然性なく唐突に差し込まれる(自主規制)への言及が取ってつけで薄ら寒い
 海外ではお手軽に点数が稼げるのかもしれないけど。エピローグの長尺はひたすらに寒くて「何を見せられているんだろう」という気持ちに
 もしかして非当事者が無駄に声がデカいという皮肉だったりする?
 前作は自然だったと思うのに(みずきが突然リスペクトとか言い出すのはまあ「?」ではあったけどまだ流れ的にはおかしくなかったし流せた)

 (こういうのごり押しして分断が進もうが恐怖や不安を口にしただけで差別主義者と罵られようが不自由を強いられようが影響を受けない側だからこうも 無責任 になれるのかな)
 インタビューでも女性キャラに対して「巨乳しか言うことはない」「パン◯ラのキャプチャー推奨」等の発言があったしそういう考え方なんだなと草も生えない


 (特に創作においては)国内では特に違和感なくそういった属性・キャラが登場し受け入れられてきたと思うが、(伝統文化とかそういうもの以外の)日本らしい空気や寛容さといったものを国内開発が自ら放棄していくのは残念

 


その他

プロモ企画でのキャラの扱いが酷い

海外ユーザーに比べて国内ユーザーに対して情報発信が少ない
 海外開発ならそれが当たり前だけど国内開発ェ……情報1つすらおま国されるとは
 同じ物を同じ価格で購入して同じように好きだったつもりだけど、公式にとってはそうじゃなかったらしい
 元々日本語圏で活動していた人が日本語で1ツイートするのも面倒と思うくらい「ファン」とは思ってもらえてなかったんだな、って
 市場規模の違いを理解した上でそれでも露骨すぎて萎える

 

もっと書きたいことがあった気がするけどもうこの作業に時間を割くのもつらい。


実際プレイするまではすごく楽しみにしてました。
でももう続編が出るとしてもとても買いたいとは思えない。
もういっそ何もかも忘れたい。